〇新人歓迎合宿に参加して
7月6日(土)、7日(日)の両日、毎年恒例の新人歓迎合宿が行われました。昨年度下期から高松山の会に加入した私も新人として、今回、初めて新歓合宿に参加させて頂きました。新歓合宿など学生時代以来43年ぶりなので、多少の緊張感を抱いて参加しましたが、気さくな人達ばかりなので、とても楽しいひとときを過ごす事ができました。
以下、簡単に感想を書かせていただきます。
まずは買い出し班としてスーパーに集合し、買い出し班長の指示のもと、食料や飲料を買い込み、車に積んで大滝山キャンプ場に向かった。キャンプ場には自然学習館という大きな建物があり、例年はそこで合宿を行っているとの事だが、今年は先客として大きな団体の予約が入っていたため、我々はキャンプ場でテントを張って宿泊する予定であった。ところが、直前になって団体客の予約がキャンセルになったとのことで、例年通り自然学習館を使えることになった。直前まで天気予報では当日は大雨との予想だったため、キャンセルが出たものと思われるが、実際には両日とも天候に恵まれ、快適な合宿となった。
現地に行くと、先行隊が既に設営に取りかかっていた。自然学習館の2階ベランダからブルーシートのタープを張り、その下にバーベキューコンロやベンチ、照明等を設置する。バーベキューの食材の準備は女性2人だけにお任せしてしまい、少しは手伝うべきだったと後から大いに反省した。一方、会長は大きな丸太を来る途中で大量に購入してきて、焚き火用にチェーンソーで片っ端から切り落としていく。大胆と言うか大がかりな準備に驚かされた。
メインイベントの夕食は、バーベキュー奉行の監督のもと、盛大にバーベキューを行った。奉行特注の肉も美味しかったが、奉行持参の玉葱やナス等の野菜も美味しかった。バーベキューのドラムコンロの横には焚き火台が設置され、会長が切り落とした太い丸太が燃やされたが、あんな太い木をブロワーを使って焚き火で燃やす技術に感心させられた。バーベキューの後は冷えたソーメンで締めとなった。食べ物も美味しかったが、焚き火を囲んで酒を飲みながら、経験豊富な先輩方の体験談を聞くのは、とても楽しく、また非常に参考になった。一方、グランドの真ん中には丸太でやぐらを組んだ本格的な焚き火も作られ、2名参加していた子供達はそこで花火を楽しんでいた。グランドの向こうには川が流れており、そこではホタルも見ることもでき、バーベキューだけでなく、とても楽しい夜となった。
当初の予定ではテントで宿泊とのことだったが、自然学習館を使えたため、半数ほどの参加者は自然学習館に寝袋を持ち込んで宿泊し、残りの人は車の中で宿泊した。私も、荷物を運んでいくのが面倒という軟弱な理由で、車で寝ることにした。
翌朝、私にしては早起きしたつもりだったが、既にほとんどの人が起きて、朝食が始まっていた。フランスパンを軽くあぶり、ハムやチーズを乗せて美味しくいただいた。パンケーキも焼かれ、子供たちに好評だったほか、会長がピザ焼き器を持ってきており、ピザも美味しくいただいた。
朝食が済むと手分けして撤収を行い、それが終わると半数ほどの人は帰宅したが、残った6人で、今年3月に発生した遭難事故現場を見に行った。大滝山の山頂に連なる西の尾根には、西から苫尾峠、三本松、大生峠というポイントが並んでおり、それらのポイントに尾根の北側を走る県道から登る登山道の起点として、県道沿いに西からそれぞれ苫尾口、三本松口、大生口の3つの登山口が並んでいる。そして、これらの登山道の中腹を結ぶ道として、尾根道と県道の間を並行する中腹線歩道が整備されていた。ところが最近、この中腹線に土砂崩れで危険な箇所がいくつか生じており、そのどこかで今年3月に単独登山していた広島県の男性が滑落して死亡した遭難事故が発生した。その事故現場を確認しに行こうというものである。
キャンプ場から県道を東に進み、苫尾口から尾根に向かって登り始める。登山口には「通行禁止」の表示板が取り付けられているが、よく読めば「中腹線歩道については、危険箇所が多数あるため、当面通行禁止とします」と小さく書かれており、尾根に登る道そのものは通行禁止にはなっていない。そのためか、登り始めても道は荒れてはいない。しばらく登ると中腹線との交差点に至り、中腹線方向には通行止めのロープが張られ、「中間遊歩道『中腹線』の通行禁止!」と書かれた表示板が付けられている。説明文には「平成31年3月に登山者が滑落した死亡事故が発生した」と書かれているので、この先に事故現場があるものと思われる。
ロープを乗り越えて中腹線に入ると、通行者が少ないためか道は荒れ気味で、草木が茂っている。しばらく進むと、斜面が崩れて足場がほとんど無いようなところを横切らなければならない箇所が現れてくる。滑落すると2~30mは滑り落ちていきそうなので、慎重に進む。そういう箇所をいくつか過ぎると、最後は鉄製の橋の上に木が倒れ込んで通れなくなっている箇所が現れた。橋の上は通れそうにないため、橋の下をくぐって通るが、足場が無いため、橋につかまりながら進む。これらの危険箇所では、滑落しても同行者がいれば助けも呼べるが、単独登山であれば、打ち所が悪かったり、足を痛めて歩けなくなったりすると、このような低い山でも遭難する危険が大きいと感じた。
さらにしばらく進むと、三本松口から三本松に登る登山道との交差点に出た。そこからさらに先の大生峠に登る登山道方面への中腹線も、ここまでと同様に通行止めのロープが張られ「通行禁止」の表示が付けられており、中腹線は全面的に通行禁止になっているようだ。そのため、3月に発生した滑落事故現場がどこなのか特定はできなかったが、おそらくは我々が通ってきた区間のどこかではないかと推察される。
メンバーの1人は、そこからさらに山頂まで登るとのことで三本松方面に進んだが、残りのメンバーは、キャンプ場にスイカの差し入れがあったとの連絡を受け、早くスイカを食べるため三本松口に下山し、キャンプ場に帰ることにした。中腹線は道が荒れていたため歩くのに時間がかかったが、下山はあっさりと終わり、キャンプ場に着くと、さっそく冷えたスイカをいただき、解散となった。
以上、最後までロクに手伝いもできず、何から何までお世話になりっぱなしの新歓合宿でしたが、思いのほか楽しい時間を過ごすことができ、また先輩方の貴重な体験談も聞くことができ、とても楽しく有意義な時間を過ごすことができた事を感謝します。本当にありがとうございました。
(松岡 記)