〇白山(市ノ瀬~観光新道~白山~別山~チブリ尾根~市ノ瀬周回) 2019/07/13~07/14
【コース】
第1日目:市ノ瀬登山口~吊り橋~観光新道~六万山~指尾山~別当出合~
殿ヶ池避難小屋~黒ボコ岩~室堂~白山~エコーライン~南竜ヶ馬場
第2日目:南竜ヶ馬場~テント場~油坂~油坂ノ頭~天池~御舎利山分岐~別山~
御舎利山~チブリ尾根~市ノ瀬登山口
第1日目:市ノ瀬登山口~吊り橋~観光新道~六万山~指尾山~別当出合~
殿ヶ池避難小屋~黒ボコ岩~室堂~白山~エコーライン~南竜ヶ馬場
第2日目:南竜ヶ馬場~テント場~油坂~油坂ノ頭~天池~御舎利山分岐~別山~
御舎利山~チブリ尾根~市ノ瀬登山口
【記】
7/12(金) 曇り。
午前10時過ぎ,自宅発。途中,何度かSAに立ち寄りながら17:00頃市ノ瀬ビジターセンターに着くことができた。
当初計画では,市ノ瀬からチブリ尾根を反時計回りに観光新道を下る予定であったが,センターの人から「チブリ尾根で親子連れの熊が目撃されている」との情報があった。また、観光新道から下りてきた登山者から「登りでの観光新道は極めて滑りやすい階段がある。濡れると間違いなく滑る。明日,明後日の天候から考えると,階段が乾いた観光新道を上がり、雨の降る明後日にチブリ尾根を下るのが良いだろう」とのアドバイスを得た。この時点でコース変更を決断。登山届けを観光新道から上がりチブリ尾根を下る時計回りのコースに変更して提出した。
7/13(土) 午前5時起床。同6時発。曇り後雨。
登山口気温18度。無風。
前日駐車場に着いたときにはガラガラだった駐車場はほぼ満車状態。警備員が交通整理をしている脇を通り、吊り橋を渡って登山口に向かう。一旦舗装路に出て少し上がると左側に「釈迦新道・越前禅定道」への看板がある。少し進み,林道を横切って6:10 「越前禅定道分岐」の小さめの案内板からがいよいよ禅定道の始まりである。登山道は,四国の山を思わせる狭い道で踏み跡は少ない。前後に人の姿はなく,予想通り静かな道である。
7:35 六万山,指尾山は小さなピークで見晴らしのない静かな頂である。途中に四角のスチールに角材を取り付けた階段があるが,これが少し湿っている程度なのに酷く滑る。いっそ梯子にしてくれた方が余程通過しよいのにと思う。
11:40 霊気満点の剃刀窟を過ぎ天井壁に至れば少し見晴らしが良くなる。道の左右に咲くお花を楽しみながら別当坂分岐に出会う。殿ヶ池避難小屋は連休の影響か超満員である。新しくて清潔な避難小屋であるが、ここでの宿泊は御免被りたい。
14:20 黒ボコ岩に到着し,岩の上に上がって天狗の気分でしばしの休憩をとる。天候のせいか,周辺に屯している人たちの姿が少ない気がする。
黒ボコ岩から御前峰頂上までは,一踏ん張りであるが,室堂で体が欲するままに炭酸飲料を2本頂戴したところ、「1本400円也。空のボトルはお持ち帰りとなっております」。
15:50 炭酸飲料で気分転換した後,ガスの中を一気に駆け上がり,頂上を拝ませて頂いた。再び室堂に下り立つ頃から雨が本降りとなり,急いで雨具を着け予定通り南竜馬場への最短コースであるトンビ岩コースを下りにかかったが,踏み跡が薄いうえ,思いの外雪渓が広く,濃いガスが立ち篭めて先が見通せない状態になってしまった。仕方なく室堂に引き返しエコーラインを南竜馬場へ下った。
17:55 途中小さな雪渓があったが問題なく南竜馬場に到着。テン場を使わせてもらおうと思ったが,「ほぼ満杯状態なので,自分で周りの人に除けてもらってくれ」という。この雨の中で折角落ち着いたキャンパーに場所を空けてくれとは言い辛い。やむを得ず「素泊まり」を選択したが案内された部屋は何と(?!)「女人部屋」。嬉し恥ずかし,生まれて初めて女性ばかりの部屋で一夜を明かすことになってしまった。
7/14(日) 午前5時起床。同6時発。雨。
6:00 スタートから雨である。前日登山口で出会った登山者の忠告に従って正解だった。雨で濡れたあの梯子を下るのはほんとに危険だと思われる。
スタートして直ぐにテン場を確認。最近の流行でシングルテントが多く,これがテン場の敷地を埋めている。3人用以上は殆ど見かけなかった。
キャンプ場横を通り木道辺りからはお花畑の連続だ。南縦走路の楽しみは秋の紅葉も見逃せないが,この時期のお花畑も格別である。天池でサンショウウオの卵を確認し,幾つかのお花畑を楽しめば間もなく御舎利山分岐に着く。一瞬のことではあったが,僥倖を得て分岐手前の稜線でこの日初めて白山本体の姿と周囲の山並みを見ることができた。
9:30 分岐の案内板横にザックをデポして石室の脇を通り別山着。前日に続き,周囲は真っ白の世界。取り敢えず,居合わせた人に証拠写真を撮ってもらいさっさと分岐まで戻り御舎利山へ。
10:05 以前は御舎利山にもきちんとした標識がたっていたのに,風雨に曝され見る影もなく朽ち果てていたのは残念であった。
御舎利山からはチブリ尾根の急斜面をどんどん下りて行く。一本道なので道迷いの心配もなく,灌木に覆われ,晴れていても見通しの良くはなさそうな道をひたすら歩き続けるが,こんな道は登りには使いたくない。つくづく時計回りコースをとって良かったと思った。
12:00 キスゲの咲く尾根を暫く歩き続けると,少し開けたところにチブリ尾根避難小屋がある。2グループ数名の下山者がそれぞれに休憩を取っていた。誘われるようにザックを下ろしここで昼食を取り,一息ついた。
お腹を満たし,木道を渡って少し下ったところで3名ほどの登山者に出会った。時間からすると避難小屋辺りで今夜の宿を取るのだろうか。
ブナの樹林帯を過ぎるとお花の見所もなく,ひたすら我慢の下り道である。猿壁の堰堤に辿り着くと心底ほっとする。ここから市ノ瀬までは一般道を跨ぎながらゆるゆる下り,市ノ瀬登山口に着く(15:50)。
荷を解き、風情のある永井温泉の湯船に浸かれば二日分の汗と垢が剥がれ落ちてゆくようである。
【今回の反省と検討】
・ 余裕を見て前日早めに登山口に入れたのは体力的に楽だった。
・ 事前に危険箇所を十分に把握できていなかったため,直前にルート変更することになった(登山届は正しいルートで届け出た)。
・ 登山口到着が早かったお陰で危険獣や危険箇所の最新情報を収集できた。
・ 初日の行程が12時間,2日目が10時間というのは休憩時間を含めても少し長すぎた
かもしれない。アクシデントがあった時に対応できる体力は残しておきたい。
・ 初日行動時間が長くなったため,着時間が遅くなりテントを張れなかった。
・ 単独で往復の車両運転は楽ではなかった。途中,集中力を欠いたところがあった。
(泉 記)