2022年09月18日

南アルプス南部の山々 山行報告

南アルプス南部の山々 山行報告
2022年9月18日
報告者:松岡義史

 この2年間、コロナウィルス騒ぎで閉鎖されていた南アルプス南部の山小屋の予約が取れたため、9月中旬に知人と2人で登ってきた。晴天続きで素晴らしい登山を楽しむ事ができた。

(1)悪沢岳
 9月12日に高松から静岡に移動し、大井川を遡って畑薙第一ダムの駐車場に着く。平日にもかかわらず、広い駐車場に予想外に多くの車が停まっていて少し驚いた。

 13日朝、山小屋を受託管理している東海フォレストの送迎バスの始発便に乗って椹島に着く。椹島に着いたら既に8時半なので、今日の登山はあまりのんびりはできない。椹島から東俣林道を少し進んだところで奥西河内の吊橋を渡り、山の中に入っていく。しばらく急登を歩くと、だんだん傾斜は緩んでくるが、道は樹林帯の中を進むため展望はほとんど無い。何度か林道を横切ったりしながら清水平を過ぎ、ようやく見晴台に着くと展望が開け、遠く赤石岳や悪沢岳の山頂方面が見えた。さらにシラビソの林を進んでいくと駒鳥池に着いた。水面の大半が水草で覆われた、とても美しい幻想的な池だった。そこから少し歩くと、ようやく宿泊する千枚小屋に到着した。どこの山小屋も同じだが、コロナ騒ぎのおかげで、山小屋の就寝スペースは1人に布団1つが割り当てられるようになった。そのため定員は半分以下に減り、予約は非常に取りにくくなり、料金も跳ね上がったが、宿泊環境は快適になった。

 翌14日はかなりハードな行程となった。まずは千枚岳を経由して悪沢岳に登り、荒川中岳や小赤石岳を経由して赤石岳に登り、それから百閒洞山の家まで行く。コースタイムは休憩時間を除いて10時間半なので、多くの登山客は途中の荒川小屋辺りで1泊するが、そうすると5~6時間で着いてしまい、中途半端に時間を持て余すので、一気に百閒洞まで行く計画だ。
 朝食を食べて千枚小屋を出発し、千枚岳に登っていると、真っ赤な朝焼けの中に富士山が浮かび上がっている。あまりの美しさに見とれてしまい、お日様が出てくるまで見ていたら、いきなり予定より大幅に遅れてしまった。

Warusawadake2022091401.jpg

 急いで登っていくと、朝日が射してきて目指す悪沢岳の山頂付近が見えるようになってきた。

Warusawadake2022091403.jpg

 後ろを振り返ると、朝もやに浮かび上がる富士山の幻想的な姿を見る事ができた。

Warusawadake2022091402.jpg

 千枚岳の山頂にたどり着くと、素晴らしい大展望が広がっており、北を見ると南アルプス北部の山々が一望できた。

Warusawadake2022091405.jpg

 千枚岳から悪沢岳への道は、意外に険しい岩場の道で注意しながら下っていくが、時間的には順調に悪沢岳の山頂に着くことができた。

Warusawadake2022091404.jpg
[南西方向から撮影したもの]

(2)赤石岳 
 悪沢岳を過ぎると、赤石岳が少しずつ近づいてきて迫力ある姿を見せるようになってくる。

Akaishidake2022091401.jpg

 まずは悪沢岳(荒川東岳)と並んで荒川三山と称される荒川中岳と荒川前岳に向かう。悪沢岳から中岳への下りも予想外に険しい岩場で、注意しながら下っていく。鞍部まで降りて振り返ると、下って来た斜面が非常に険しい岩場だったことが分かる。中岳は意外に遠く、ようやくたどり着いた山頂には小さな避難小屋が建っていた。

 中岳と前岳はほぼ一体の山で、あえて別名を付ける必要がないくらい近接しているので、前岳にはすぐに着いた。
 その後は赤石岳を目指して南に降りていく。荒川前岳の南東斜面は7月下旬から8月上旬にかけて一面のお花畑になるんだそうだが、今の時期は花は咲いてなかった。
 下り切った鞍部に荒川小屋があり、さらに歩くと大聖寺平に着いた。そこからつづら折りの急登を登って小赤石岳を越えて少し進むと、椹島から赤石岳に登ってくる大倉尾根の迫力ある姿が見えた。
 朝は快晴だったが、少しずつ雲が湧いてきて、前方の赤石岳も西側からガスに覆われてきたため、先を急ぐ。だいぶ疲れてきたが、なんとか晴れているうちに赤石岳の山頂に着いた。

Akaishidake2022091402.jpg
[南西方向から撮影したもの]

 時間的にはなんとか順調に行程を終えられそうな状況になってきたので、のんびりと雄大な景色を楽しみたいところだが、ガスが出てきたのであんまりゆっくりしている雰囲気ではなくなってきた。適当に休憩を切り上げて先を急ぎ、西を向いて降りていく。
 山頂直下の西側の斜面は、一帯に大きな石が堆積しており、ちょっと異様な風景だった。前方を見るとガスが少し晴れて、これから向かう百間平が見えた。馬の背のなだらかな稜線を進んでいくと百間平に到着したが、順調に歩いてこられたので時間はまだたっぷりあり、しばらく休憩することにした。ところが、のんびり休んでいると、突然、雨が降り出して、あっという間に大雨になった。大慌てでレインウェアを着込んで先を急ぎ、予定よりだいぶ早く百閒洞に着いた。休憩時間を入れても千枚小屋から10時間でたどり着いたので順調だったと言えよう。

 百閒洞山の家は少し古そうな小さめの小屋で、スタッフは若い男性2人だけだったが、夕食があまりにも素晴らしくて感動した。揚げたての大きなトンカツや海老天が乗った天ぷらそば等が出てきて、私の経験では山小屋の食事としては空前絶後の美味しさだった。スタッフの対応も親切で、本当に素晴らしい山小屋だった。

(3)聖岳
 翌15日は、夕食同様に美味しい朝食を頂いて出発する。前日に比べたら時間的に余裕がある行程なのでのんびり歩いていたら、草が生い茂った分かりにくい道で迷ってしまい、ずいぶんタイムロスしてしまった。なんとか稜線に脱出し、中盛丸山や小兎岳を通って兎岳に着いたら、山頂付近でライチョウが出てきた。朝から晴天なので出会えるとは思ってなかった。

 兎岳からはいよいよ最後の聖岳に向かう。兎岳から聖岳への稜線はなかなか険しい岩場だった。

Hijiridake2022091501.jpg

 稜線の南側は岩が崩壊して鋭く切れ落ちている。

Hijiridake2022091502.jpg

 険しい岩場の稜線を抜けると山頂が近づいてくるが、なかなか山頂には至らず予想外に時間がかかった。
 ようやく到着した聖岳の山頂からは素晴らしい展望が広がっており、遠く富士山が孤高の姿で浮かび上がっていた。

Hijiridake2022091503.jpg

 後は聖平へ下るだけなので、山頂でのんびりし、暑くなってきた頃に下り始める。小聖岳を通り、薊畑で東に折れてしばらく進むと聖平小屋に着いた。

 聖平小屋は思ったよりは大きな小屋で、かなりの登山客が泊まっていた。だが、布団が無く、板の間に薄っぺらいウレタンマットを1枚敷いて寝袋に入って寝るようになっているため、私は腰が痛くなって安眠できなかった。また食事の提供が無いため、バーナーや食材を持参しなければならない。そのくせに料金は10000円もする。美味しい食事に厚い布団があった前日の百閒洞山の家と比べるとサービスが雲泥の差だ。

 翌16日は椹島へ下山するだけなので、楽勝のようだが、椹島から畑薙ダムへの送迎バスの最終便が14時なので、それには間に合わなければならない。そのため、できるだけ急いで降りていく。

 森の中の道が続き展望は乏しいが、滝見台に着くと展望が開け、谷の向かい側に滝が見えた。その後、途中で聖沢吊橋を渡り、さらに黙々と歩き続け、聖岳登山口に着いて林道に出る。最後に林道を1時間ほど歩いたら、ようやく椹島に着いた。
 急いで降りてきたため、予約していた送迎バスの時刻より4時間も早く着いたので、1便前の送迎バスに乗る事ができ、早々に畑薙ダムの駐車場に戻る事ができた。

 今回の山行は、なかなかハードなスケジュールだったが、なんとか最後まで順調にこなす事ができた。事前の天気予報でも基本的にあまり雨は降らないだろうとの事だったが、ここまで晴天が続くとは思ってなかったので、非常に恵まれた山行だったと思う。

 下山後は、畑薙ダムから道を少し下ったところにある赤石温泉白樺荘という温泉に入り、露天風呂で疲れを癒す。

 その後、島田市を目指して車を走らせていると「奥大井湖上駅」なんていう看板が目に入ったので、気になって狭い道へ入って見に行ってみた。すると、緑の川面に赤い鉄橋が映えて、なかなか美しい光景が広がっていた。さらに山の上に登ると、もっと素晴らしい景色が楽しめるとの事だ。せっかく温泉に入ってサッパリしたところだが、こうなると見ないではいられないので、再び汗をかいて登ってみる。すると、本当に素晴らしい景色を見る事ができた。

Warusawadake2022091406.jpg

 後で鉄オタの知人たちに聞いてみると、有名な駅だそうだ。でも、電車に乗って駅まで行った人はいたが、山の上に登って見下ろした人はいなかった。登山とは言えないが、最後まで楽しませてくれた今回の山旅のオマケだった。

posted by 高松山の会 at 20:00| Comment(0) | 個人山行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。