月例山行報告 加西アルプス
2022年11月6日
報告者:松岡義史
2022年11月6日
報告者:松岡義史
兵庫県南部には小野アルプスや播磨アルプスなど岩場のある山が多いが、その中で今回は月例山行として加西アルプスに登った。
加西アルプスは東の善防山と西の笠松山を主峰とした、東西に横長い山域で、田畑と宅地が広がる播磨平野に囲まれた標高250m前後の山々だ。
香川を朝7時に出発し、山陽自動車の加古川北ICを降り、9時過ぎには加西アルプス北麓の善防公民館に到着し、そこに車を停めて9時半頃に出発した。
善防公民館から直接、善防山に登るルートもあるが、そのルートは樹林帯を歩くため面白くないようなので、善防公民館から少し東に戻ったところにある善防山登山口から登る事にした。登山口近くの野田池からは善防山の山頂付近が良く見えた。真ん中左の尖ったピークが第二頂上で、真ん中右の緩やかなピークが善防山山頂だ。
登山口から入ってしばらく山麓の雑木林を歩くと、いきなり周囲が開けた岩稜に出る。岩場の傾斜は緩くはないが、岩質はマグマが冷えて固まった流紋岩や火山灰が固まった凝灰岩などの火山岩が多く、滑りにくくて歩きやすいため、順調に登っていける。
ほんの少し登っただけで素晴らしい展望が楽しめるため、多くの登山客が歩いている。広々と緩やかに続く岩稜の向こうには、整った三角形の善防山第二頂上と、その奥の善防山が間近に見える。
しばらく岩稜が続いた後、樹林帯の急な坂を登ると第二頂上に着く。ただし第二頂上は周囲の木が茂っていて展望は無い。そこから少し西に進むと、すぐに善防山の山頂に着く。山頂はかなり広く、北側は展望が開けていた。ここには、かつて善防山城があったらしい。見通しが良いので城にはうってつけの立地だっただろう。
善防山の山頂を後にして、次は笠松山に向かう。山頂から西へ下ると、笠松山の尖ったピークへ続く岩稜の道が見えるようになり、その右には岩肌が白くむき出しになった笠松山北東斜面の石切場が見える。
善防山と笠松山の鞍部に下ると、2つの山の間に深く切れ込んだ谷間があり、そこに架かる吊橋を渡る。吊橋の下には下山時に通る予定の林道が走っているが、上から見ると高度はかなり高そうに見えた。
吊橋を渡ると一段と急な大きな岩場が現れる。鎖が設置されているが、滑りにくい岩なので、鎖に頼らなくてもしっかりと登る事ができる。
岩場を登って山頂が近づいてくると、山頂には展望台が設けられているのが分かったが、狭い展望台は多くの登山客で混雑しているようなので、その直下の岩場で休憩することにして、軽めの昼食を食べる。
その後も次から次への登山客が登ってくるので、休憩を切り上げて山頂に進み、展望台に上がる。
展望台からはさきほど登った善防山が東に見え、さらに遠くには六甲山なども見えた。また南には山の合間から瀬戸内海も見えていた。
次々と上ってくる登山客のため狭い展望台はすぐに大混雑になったので、早々に下山する。下山は南の大柳ダム方面に向かって下りていく。途中に東屋があったが、ここも混雑していたので、すぐに下山を再開し、急斜面を降りていく。最後はかなり傾斜のきつい階段状の道を下ると、林道に出た。
出発した善防公民館を目指して林道を歩いていくと、途中に古法華寺がある。ここには長石で彫られたたくさんの地蔵や仏像があり、なかなか面白かった。さらに林道を進むと、山腹に達磨が彫られているという看板があったので、急斜面の山道を登っていくが、どこにあるのか分からない。たまたま通りかかった登山客に教えてもらうと、対岸の断崖に大きな達磨が彫られていた。
再び林道に降り、さきほど通った吊橋の下をくぐって進み、13時過ぎには車を停めた善防公民館に戻った。
休憩やお寺で過ごした時間を入れても3時間半程度で終わったお手軽な山だが、素晴らしい展望が楽しめ、また終始晴天で風も弱く、とても快適な登山だった。