月例山行報告 播磨アルプス&小野アルプス
2022年12月4日
報告者:松岡義史
2022年12月4日
報告者:松岡義史
兵庫県南部にはアルプスの名前が付いた岩場のある山域が多いが、その中で11月の加西アルプスに続き、12月の月例山行として播磨アルプスと小野アルプスに登った。これで播磨平野の主要3アルプスを歩く事ができた。同行は加西アルプスにも同行した野口さん、大原さんと、島田さんだ。
(1)播磨アルプス
播磨アルプスは高御位山(たかみくらやま、標高304m)を主峰とした、田畑と宅地が広がる播磨平野に囲まれた小さな山域だ。地図で北を上にすると、Uの字を逆さにしたような形で尾根が続いている。全部歩いても大した距離ではないし、尾根の標高も200~300m程度の低い山域だ。
播磨アルプスは高御位山(たかみくらやま、標高304m)を主峰とした、田畑と宅地が広がる播磨平野に囲まれた小さな山域だ。地図で北を上にすると、Uの字を逆さにしたような形で尾根が続いている。全部歩いても大した距離ではないし、尾根の標高も200~300m程度の低い山域だ。
香川を朝7時に出発し、山陽自動車の山陽姫路東ICで播但連絡道路に入り、花田ICで降りて南に進み、国道2号線などを通りながら9時過ぎに播磨アルプス南麓の鹿嶋神社の駐車場に到着した。駐車場の側には巨大な鳥居が立っており、鳥居の向こうには登山道が見える。
この巨大な鳥居は山の上からもとてもよく目立つので、ランドマークとして役に立った。
巨大な鳥居をくぐって鹿嶋神社の参道に入って行くと、名物のかしわ餅を売っている店が数軒並んでいる。かしわ餅が名物とは知らなかったが、山の上で食べるために、できたてホカホカのかしわ餅を買った。鹿嶋神社は大きな神社で、境内に入ると紅葉がきれいだった。鹿嶋神社の立派な本堂の横に赤い鳥居が立ち並ぶ石段があり、そこを登っていくと登山口がある。
石段が終わりしばらく坂を登っていくと、早くも登山道はむき出しの岩に変わってきた。途中に見晴らしの良い展望台があり、そこを過ぎると岩場の上の道をどんどん登るようになる。
周囲には大きな岩が一面に広がっている。
岩肌は風雨で削られて滑らかになっているため足場は乏しく、滑りやすいと言えば滑りやすいが、岩質がザラザラしているため、登山靴のソールのグリップを効かせながら踏ん張って登っていける。
少し登ると、早くも下界の展望が開けてきた。先日登った加西アルプスと同様に、少し登るだけで開放的な岩場に出られるので、とてもお手軽に楽しめる登山だ。肉眼では見えにくいが、カメラを望遠にすると、遥か遠くに姫路城まで見える。
最初のピークである鷹ノ巣山の山頂が近づくと傾斜は緩やかになり、広々とした岩場が気持ち良い。東には播磨アルプスの最高峰である高御位山の山頂が見える。
鷹ノ巣山の山頂のすぐ東には東峰があり、標高は東峰の方が少しだけ高い。多少のアップダウンはあるとは言え、なだらかな歩きやすい尾根道なので、すぐに東峰に到着した。西を振り返ると、鷹ノ巣山の山頂が間近に見える。
東峰の山頂で、先ほど買ったかしわ餅を食べる。まだ暖かくて美味しかった。
東峰から30分ほど歩くと、高御位山の山頂に到着した。山頂には立派な社があり、多くの登山客が休んでいたが、山頂は意外に寒かったので、しばらく休憩したら下山を開始した。
山頂の社から東にむいて立派な参道が付けられており、最初は参道を歩いて下る。しばらく下ると、直接麓へ下山する道があったが、今回はそこから別れて中塚山まで回って下山する事にして、登った道と同じような大きく広がる岩場の道を下っていく。
その後、樹林帯を通って中塚山から麓に下山し、最後は舗装路をテクテク歩いて鹿嶋神社まで戻った。
順調に駐車場まで戻ったため、まだ少し時間があったので「ついでに小野アルプスにも行ってみよう」という事になった。
(2)小野アルプス
小野アルプスも播磨平野に囲まれた小さな山域だ。標高は200m以下の低い山域だが、東西に細長く、全部歩くとかなり時間がかかる。私以外の3人は以前、小野アルプスに登った事があり、小野アルプスで見所なのは西の端にある紅山の岩稜だけとの事なので、今日は紅山だけ登る事にした。
小野アルプスも播磨平野に囲まれた小さな山域だ。標高は200m以下の低い山域だが、東西に細長く、全部歩くとかなり時間がかかる。私以外の3人は以前、小野アルプスに登った事があり、小野アルプスで見所なのは西の端にある紅山の岩稜だけとの事なので、今日は紅山だけ登る事にした。
鹿嶋神社から車に30分ほど乗って、紅山へ登る登山口の岩倉入口まで移動する。岩倉入口からは紅山の山頂に直登する樹林帯の登山道もあるが、今日は岩場を登るのが目的なので、南に向かって真っすぐ進む。しばらく進むと紅山の山頂が見えてくるが、そこから見ると岩場は全然見えない。さらに進むと「紅山岩山登り口」と書かれた標識が立っており、そこから山に入って行く。
少しだけ樹林帯を登ると、いきなり周囲が開けた岩稜に出た。正面には山頂まで続く巨大な岩壁が出現した。こんなに大きな岩壁が広がっているとは思わなかったからビックリした。
しかも、大きいだけでなく、かなり急な傾斜だ。少し登って下を振り返ると、長い岩尾根が延びており、だんだん傾斜がきつくなってきたのが分かる。
傾斜が非常に急なうえ、岩肌は風雨で削られて滑らかになっているため、足場は乏しく滑りやすい。登山靴のソールで岩肌をとらえてなんとか踏ん張って登っていくが、登るにつれて傾斜はますます急になっていく。横を見ると、いかに急な斜面なのかがが良く分かる。
なんとか岩場の最上部まで登り終えてあらためて下を見ると、登るのはなんとかなっても、ここを下るのは危険そうだと思った。ようやく到着した紅山の山頂(標高184m)は少しだけ開けていて、山頂標識などが立っていたほか、「岩場を下るのは危険です。北側コースを利用しましょう」という警告の注意書きもあった。北側コースは直登の登山道で、そちらに行けば岩倉入口まで安全に下山できる。でも、せっかくなので岩場を降りようという事になり、恐る恐る足を踏み出していく。ただ、見た目ではとても滑りやすくて危険そうな岩場の下りだが、実際に下り始めると、なんとか滑らずに下っていけた。でも、下まで降りてから登っている人を見上げると、全身で岩にしがみついて登っており、ちょっと滑ると下まで転がり落ちてきそうだった。
登りも下りもあっさり終わり、ほんの1時間ほどの紅山登山だったが、期待通り面白かった。小野アルプス全体を歩いた訳ではないが、これで十分だ。
先月の加西アルプスと同じように、播磨アルプスも小野アルプスも、とてもお手軽で簡単なピクニック登山だったが、楽しい岩場と素晴らしい展望が楽しめる良い山だった。